産前産後と筋肉の関係性について

2025/06/09

こんにちは　神門鍼灸整骨院甲子園院です⭐

2回連続で筋肉について書いてきましたが、本日も書いていきますよ！
今回は「妊娠・出産」に対して書いていきます。

女性の皆さんにとって、妊娠・出産は体の大きな変化を伴うライフイベントです。
この時期、インナーマッスルの状態は、快適なマタニティライフ、スムーズな出産、そして産後の回復に大きく影響します。

妊娠・出産とインナーマッスルの深い関係

産前の体の変化とインナーマッスル

妊娠中はお腹が大きくなるにつれて、体の重心が前に移動します。
この重心の変化によって、体のバランスを保つために、背中や腰に大きな負担がかかりやすくなります。

このような状況で、お腹の奥深くにある「腹横筋（ふくおうきん）」や、骨盤の底にある「骨盤底筋群（こつばんていきんぐん）」といったインナーマッスルがしっかり機能していると、

姿勢の崩れを抑える: 姿勢が安定し、腰への負担が軽減されます。
腰痛の予防・改善: 妊娠中に悩まされやすい腰痛のリスクを減らします。
骨盤の安定: 骨盤が緩みやすくなる時期に、インナーマッスルが骨盤を支えることで安定性が増します。

また、出産に向けて子宮が大きくなるにつれて、骨盤底筋群は赤ちゃんが通る「産道」を支える重要な役割を担います。

産後の体の変化とインナーマッスル

出産を終えると、お腹周りの筋肉は大きく伸びて、働きが低下しやすい状態になります。
特に、お腹のインナーマッスルである腹横筋は、左右に開いてしまう「腹直筋離開（ふくちょくきんりかい）」を起こしているケースも少なくありません。

また、出産時に大きな役割を果たした骨盤底筋群も、ダメージを受けてゆるみやすい状態になります。
これにより、以下のようなお悩みが起こりやすくなります。

ぽっこりお腹: 腹筋がうまく使えず、内臓が下がりやすくなります。
尿もれ: 骨盤底筋群の機能低下により、くしゃみや咳で尿が漏れてしまうことがあります。
腰痛や骨盤の痛み: 産後の不安定な骨盤をインナーマッスルが支えきれず、痛みが出やすくなります。
姿勢の悪化: 育児で前かがみになることが増え、さらに姿勢が崩れやすくなります。

これらの産後のお悩みは、インナーマッスルをしっかりと鍛え、回復させることで大きく改善する可能性があります。
特に、腹横筋と骨盤底筋群を適切に鍛えることは、産後の体型戻しや、快適な育児生活を送るために非常に重要です。

産後インナーマッスルを放置すると将来どうなる？

「産後は忙しいから…」「そのうち治るだろう」と、インナーマッスルのケアを後回しにしてしまう方は少なくありません。
しかし、産後のインナーマッスルの状態を放置してしまうと、何年か経ってから、様々な体の不調として現れることがあります。

1. 長引く腰痛や慢性的な肩こり

産後に不安定になった骨盤や、弱くなったお腹のインナーマッスルを放置すると、体の土台がしっかりしないまま日々を過ごすことになります。
これにより、腰や背中、肩などのアウターマッスルに常に負担がかかり続け、慢性的な腰痛や肩こりに悩まされることになります。
育児による抱っこや前かがみの姿勢も加わり、症状はさらに悪化しやすくなります。

2. 体型が戻らない、中年太り

インナーマッスル、特に腹横筋の機能が低下したままだと、お腹周りの脂肪がつきやすくなり、いわゆる「中年太り」の原因になることがあります。
代謝も落ちやすくなるため、若い頃と同じような食生活や運動量でも、なかなか体重が落ちにくくなります。

3. 尿もれ・臓器脱のリスク増加

産後に最もダメージを受けやすい骨盤底筋群の機能低下を放置すると、年齢を重ねるにつれて、尿もれ（腹圧性尿失禁）の症状が悪化したり、ひどい場合には子宮や膀胱などの臓器が下がってしまう「臓器脱」という状態に繋がるリスクが高まります。
これは、日常生活の質を大きく低下させる深刻な問題となりえます。